2018.07.31
先日来院された患者様からのご相談で、更年期での腰痛についてご質問がありました。
更年期には月経不順などの婦人科症状とともに、身体の火照り・腰や背中の痛み・なんとなく具合がよくないなどの不定愁訴がみられることがあり、これはホルモンバランスが崩れた事による自律神経失調からくる症状とみられています。
鍼灸施術は、身体自らが正常化させようとするのをサポートするのがとても得意なので、ホルモンや自律神経のバランスが崩れを整えることのお手伝いができます。
この「正常化させようとする能力」のことを「ホメオスターシス」といい、熟語で書くと「恒常性・恒常化」となります。
腰の痛みの原因は多種多様なので、性別・年齢によって様々な違いがありますが、当院では患者様の訴えをしっかり聞かせていただいて、患者様に合った施術が出来るように心がけております。
多種多様な原因にたいして、いろんな角度で鍼灸施術というアプローチで少しでも身体の調子が整えられるように務めています。
「ともに考え・ともに治す」というスローガンに恥じぬようこれからも頑張ってまいります。
2018.07.23
先週末に、公益社団法人大阪府鍼灸師会・理事地域代表者一泊研修会が京都で開催されましたので行ってまいりました。
研修会では、当院のある枚方市と淀川を隔てた北側にある茨木市が「日本鍼灸発祥の地」ということで大変な盛り上がりをみせている状況のなかで、京都大学人文科学研究所の武田時昌教授によるご講演を拝聴することができました。
武田教授は「中国伝統科学の思想史的考察」をご専門にされていて、中国より日本に伝わった医療の文献に大変精通していらっしゃるスゴイ先生です。
聞いたことがある話も初めて聞く話も、たくさん興味深く伺ったのですが、ぼくが一番「あ、そうなんだあ」と思ったのは、「先にお灸が発達したあとに、鍼治療が発展した」という部分。
古来中国で発展してきた医学において薬草・湯液による治療から派生した灸療法が先に発展して、それからあとに「なんらかが起きて」、鍼療法が発展したとのこと。
そう言われるとモグサの原料であるヨモギは、古来から知られている重要な薬草の一つでありますから、確かに針作成の技術よりも薬草から成分を抽出する技術の方が、シンプルな分だけ先に発展しそうな気がします。
当院でも、ぎっくり腰のような急性の痛みには鍼施術、関節痛のような慢性痛には灸施術というような説明を行っていますが、それに加えて歴史的な成り立ちの部分でも勉強していく必要がありそうです。
当院では、比較的しっかりとお灸の施術が出来る環境が整っていまして、
濡れた和紙の上にもぐさを捻る「台紙灸」
紙の筒の上にもぐさを載せる「温灸」
魚の目やイボ・不眠治療の際に直接肌の上にお灸をすえる「直接灸」
髪の上からほんのりと頭のツボを刺激する「棒灸」
など、多種多様なラインナップを取りそろえています。
それぞれのお灸のやり方によって微妙に違うモグサの種類など、いろいろ楽しんで施術を受けていただければと思っております。
ご希望があれば「モグサの種類はこのようなものですよ」と説明好きの院長がいろいろお話しさせていただきますので、お気軽にお声かけ下さい♪
2018.07.20
あいかわらず暑い日が続いております。
今日の枚方市は最高37.7℃で、これでも昨日よりも1.2℃も低いらしいです。
なにがなんやら分かりませんが、熱中症には本当に気をつけましょう!
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さて、今日のテーマは「冷やすのか?温めるのか?」です。
患者様からのご質問で、結構多いんですよね、冷やすのと温めるのとどちらがいいんですか??っていう疑問。
今回はそれにおこたえしていきましょう。
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まず、ぎっくり腰の場合。
不意に身体を動かしたときや、何かものを持ちながらバランスを崩したりして「グキッ!」「ピキッ!」。
あいたたたた、やってしまった・・・。
ぎっくり腰のご経験がある方なら、思い出すのもツラい瞬間ですが、このあとは冷やしますか?温めますか?
答えは「冷やす」です。
急性の痛みの場合は、炎症が局所に起きていることが大変多いので、じっとしていても痛みが「ズキズキ」したり、ちょっと動かしただけでも「ピキーン」と痛みが走ったりすることが多いです。
こういう痛みの時は、しっかり冷やして局所の炎症が増えないようにしましょう。
冷やすことで炎症そのものを抑えることができることと、炎症物質の拡散を抑える効果も期待出来ます。
ですから、「アイタッ!」という傷め方をした場合は、まずは「冷やす」と覚えておいて下さい。
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続いて、気がついたら痛くなっていたという腰痛の場合。
特に覚えがないんだけれども、気がついたら痛いということもよくありますね。
じっとしていたら意外と大丈夫でも、動かし始めや立ち上がるときにイタタタタ・・・となって腰が伸びない、動いているうちに何となくラクになってくる・・・というようなパターンも結構な頻度で見られます。
こういう痛みの時は「冷やす?」「温める?」
答えは「温める」です。
動き始めが痛いという場合は、腰の血行がよくないために腰の筋肉周囲が硬くなっていて、その状態で筋膜が引き伸ばされるために「イタタタ」となることが多いです。
動き続けていると血行が回復してくるので、筋組織がほぐれてきて痛みが軽減する、という感じになります。
いわゆる慢性腰痛の方がこのようになったりしますが、温める方が血行が促進されるので、積極的に患部を温めた方がよいですね。
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それでですね、以下のパターンもしばしば見られるので注意が必要なのですが。
「慢性腰痛の人がぎっくり腰になって、いつもの経験から温めた結果よけいに痛みが酷くなった!」というパターン。
「いつも腰が痛くなったらお風呂でゆっくり温めたらラクになるので、いつもよりゆっくりお風呂に入ったら痛みがよけいに酷くなって寝られなくなった」など、覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ギクッときたら冷やすということを知っておけば、「これはいつものとは違うから、冷やさなアカンなあ」となってオッケーですね。
自分の身体を知っているばかりに逆をしてしまうということもあるので、ご注意下さいね。
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まとめますと、「ギクッときたらとにかく冷やす!」「動いているとラクになってくる腰痛は温める!」。
こういう感じで宜しくお願いします。
ちなみに冷房がよく聞いた部屋ですと、腰痛や神経痛が出やすくなりますので、熱中症対策とともにお気をつけ下さいね。
まだまだ暑い日が続きます。
ご自愛下さいね。
2018.07.17
今朝の天気予報でいっていましたが、本日も枚方市は36度という猛烈な暑さが予想されています。
体調管理にはくれぐれもお気をつけ下さい。
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さて、昨日は汗をかくことで身体を冷やす効果がありますよ、という記事を書きましたが、今日は出勤してからプランターの水やりのついでに「打ち水」を当院のまわりにまいてみました。
理論的には汗が乾くときに気化熱で身体を冷やすというのと同様に、打ち水が乾くときに地面の熱を奪って冷やす効果が期待出来るというものです。
僕個人としては温度低下を体感するというよりは、打ち水が気化される際に空気の層が動くことで、柔らかな風ができるのが涼しさを生み出すような気がしています。
打ち水をするにしても、真夏の日中に行うと逆に熱風を浴びるような形になってしまうので、できるだけ朝速くに出勤して、打ち水をまいてみようかなと思っています。
冷房ももちろん効果は大きいのですが、できるだけ先人の知恵を学んで省エネしながら暑い夏を乗り切りたいものですね。
2018.07.16
日本全国熱い日差しが降り注いでおりますが、皆様いかがお過ごしですか。
僕は日曜のお昼に自宅の草刈りをしたのですが、日頃ほったらかしにしていたせいでメッチャクチャ雑草がボウボウに生えていまして、それはそれは難儀しました。
で、虫さされ対策もあって長袖長ズボンで作業をしたのですが、まあ暑いこと暑いこと。
水分を先に大分摂っていたつもりだったのですが、それでも汗ズクズク・目がクラクラしました。
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僕はさあこれから作業するぞ!と思って準備をしてからだったので大丈夫でしたが、汗というのは知らぬ間に結構でているもので、この知らないうちにかいている汗を「不感蒸散」といいます。
身体の表面を汗で濡らし、その汗が乾くときに気化熱として体温を下げるという仕組みになっています。
ですから、自宅に居て特になにもしないからといって水分を摂らなかったりすると、知らないうちに脱水症状になる恐れがありますから危険です。
脱水症状に一度なってしまうと、そこから水分を摂っても体調が元に戻るまで時間が掛かってしまいますので、脱水症状になる「前に」、こまめな水分補給をして下さい。
とくに高齢者は自分自身の体調変化に気づきにくくなることがしばしばありますし、トイレが近い方は足腰の不調があるという理由等で水分摂取を控えられることがあるので、ご自分はもちろん周りの方々も十分ご配慮下さいますようお願い致します。
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今週の天気予報で、連日35度以上の猛暑日が予想されています。
当院においでになる際はもちろん、普段の生活においても十分にお気をつけ下さいますようお願い申し上げます。
2018.07.11
おはようございます。
先週からの豪雨によって被災された方々にお見舞い申し上げます。
今週に入り梅雨明けして一気に暑くなりましたので、体調管理にはくれぐれもお気をつけ下さい。
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さて、その猛暑でなりやすくなるのが「こむらがえり」ですね。
身体の中の塩分が少なくなると、筋肉を収縮させるメカニズムのバランスが悪くなって「つりやすく」なります。
この時期は寝ている間に汗をかいて、その明け方に「ふくらはぎにビシッと痛みが走る」ことが多いですね。
対策としては、寝る前にひとつまみのお塩をなめてから布団に入るとつりにくくなります。
梅干しやお漬け物を一口食べるというのでも良いですね。
特に高血圧対策などで減塩食にされている方は、もともとの塩分が少なくなっているのでつりやすくなっていることがありますから、ご注意下さいね。
よく「こむらがえりには水分を摂ればよい」と言われる患者様がいらっしゃいますが、一緒にちょっぴり塩分を摂るようにしてもらえれば、と思います。
脱水症状にも気をつけて、健康管理に十分ご配慮下さいね。